氏（生まれ）の良い犬はしつけも楽
生後3ヶ月半になるMダックスのフジ君。飼い主さんは初めて子犬を飼うため、基本的な飼い方やしつけ方を知りたいということでレッスンに伺いました。
なんでこんなに良い子なの？
一般的に3ヶ月半の子犬と言うと、やんちゃ盛りでたいてい、
・甘噛みがひどくて大変だったり
・ケージに入れると出してくれと吠えたり
・家具をいたずらしたり
と、いろいろ困ることがあります。
ところが、レッスンに伺ってフジ君に会ったところ、甘噛みは全くせず、ケージに待機させても一切文句を言わない、家具もほとんどいたずらしない、という感じで超お利口さん！
さらに初めて会う私を前にして、へそ天状態で仰向けでくつろぐ大物っぷり。人が好きだけれども、必要以上に興奮せず淡々としていて、「レッスン必要？」と思うほど、手がかからない本当に良いコでした。
なんでこんなに良いコなのかなと。もちろん、飼い主さんの接し方、対応が適切であることも「良いコ」の要因ではありますが、フジ君の振る舞いを見て、「氏」がとても良いんだなと感じました。
「氏（生まれ）」それとも「育ち」？
よく、人の行動や性格に影響するのは「氏（生まれ）」か「育ち」か、という話しがありますが、犬でも同じことが言われます。
当然両方の影響があるのですが、犬においては「氏」の影響が大きいなと個人的に考えています。
というのも、犬は人為的に繁殖しているので、ある意味不自然な状況で生まれてきます。ですから、どのように繁殖をしているかが、病気の発生率、骨格の形成具合、性格の質（極度に怖がる、興奮しやすいなど）などが、大きな影響を受けます。
飼い主さんから「ブリーダーから迎えた」と聞いてはいましたが、めちゃくちゃ性質が良いので詳しく聞いてみたところ、4箇所ブリーダーを見て回ったそう。そして4箇所目で、「ここなら！」と思いそのブリーダーさんから迎え入れたとのことでした。
気質の良い子を迎えたい
実はここ数年、特にコロナ禍以降、気になっていることがあります。それは、「気質に問題がある子犬が増えたな・・・」ということ。
極度に人や犬・音などを怖がる、異常に興奮する、先天的な病気がある、食への欲が低いなど、学習による行動の問題というよりは、生まれつきの性質に問題がある子犬が目立つようになっている感じがします。
このような場合、一生懸命しつけトレーニングをしても、思うように改善が見られなかったりします。これは決して「改善しない」という訳ではありません。（病気などの身体の問題でない限り）時間がかかるというだけで、根気よく取り組めば改善します。
逆にフジ君のように気質の良い子犬を迎えると、しつけが楽で手がかかりません。なので、犬を迎えるときは信頼のおけるブリーダーさんから購入しましょう。
とは言え、身近にあるペットショップから迎える方が楽かもしれません。もしそうするならば、ショーケースを見て即決するのではなく、ショップに何度も足を運んでください。そして、
・極端に怖がる様子はないか
・痩せすぎていないか
・一緒に生活している他の犬との関係はどうか
・ご飯はしっかり食べているか
など、候補にしている子犬の性質をよく確認してから迎えてください。
また最近では、インターネットに掲載されている写真だけで決めるというケースもあるようですが、それは止めたほうが良いです。実際に会ってから決めるか、遠方で難しければ、せめて販売元の業者としっかり話しをしてから迎えてください。
先ほども書いたように、気質が良い子犬を迎えるとしつけがしやすいです。これから犬を飼おうと思っている、2頭目を迎えようと思っている等の場合は、子犬の様子と、ショップやブリーダー、保護団体などの犬への接し方、飼育環境などをしっかり見てから迎えましょう。
ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子
