犬が常同行動(強迫性障害)になったら
先日2歳になるチワワの男のコが
カウンセリングに来ました。
相談の主な内容は
トイレの問題と
気に入らないことがあると
噛みついてくる
ということでした。
しかし話を詳しく聞いてみると
イライラした際や
怒られた後などに
自分の尻尾をすごい勢いで追いかけ
かじる行動がある
ということが分かりました。
そしてそのコの尻尾をよく見ると
先の方が剥げていて
皮膚が赤くなっていました。
これは同じ行動をひたすら
繰り返してしまう常同行動
(強迫性障害)
というもので
犬の場合
このチワワ君のように
自分の尻尾を追いかけて
ぐるぐる回ったり
足をなめたりかじったり
し続けるなどがあります。
この主な原因は過度なストレス
と言われています。
実は私が以前飼っていた
ラブラドールにも常同行動があり
自分の足(後肢)を血が出るほど
舐めてしまいました。
このラブは私が昔勤めていた訓練所で
いわゆる「強制訓練」というものを
子犬の頃から受けていて
そのストレスから
このような行動が
起こるようになりました。
当時2歳だったそのコを
私が訓練所を辞める時に引き取り
それまでの生活とは一変させましたが
なかなか常同行動が抜けず
いろいろ苦労しました。
傷を治すために
皮膚の移植手術をしたり
ホリスティック医療を受けたり
生活面以外でも様々なケアをしました。
そして完全に治るまでには
5年ほどかかりました。
もちろん5年間ずっと舐める行動が
出ていたわけではありません。
精神的に落ち着いて
舐める行動が減っていても
ある時何かストレスを感じると
思い出したように舐めてしまう
(写真の尻尾が一例)
ということがあり
完全にその行動が出なくなったのが
5年後ということでした。
人間と同様
動物もストレスを抱えすぎると
精神的な疾患にかかります。
そして改善させるには時間がかかります。
たまにワンちゃんが
尻尾を追いかけながら
ぐるぐる回っている姿を
微笑ましく感じてしまう
ケースがあるようですが
もしこのような行動が
見受けられたらすぐ止めてください。
その場合決して怒らず
おもちゃや食べ物などで
注意をそらして止めてください。
今回のチワワ君の飼い主さんも
尻尾を追い回し始めても
特に対処はせず
勝手におさまるまで
放っておいたそうです。
なので
今後はすぐ止めるように
お願いをしました。
早い段階で対処すれば
改善するのも早いです。
もしこのような行動が起こったら
放っておかず必ず上記のように
対処をしてください。
それでも改善がみられなければ
しつけの専門家や
行動診療という専門の科のある
病院に相談をしてくださいね。