それは犬の問題行動ではないかも
最終更新日:2023.05.25
港北区に住んでいるマルチーズ×プードル7歳のはなちゃん。1歳過ぎごろから嫌なことをすると唸るようになってしまいました。とはいえ、本気で噛みつくなどの深刻な問題もなく今まできました。
実は本気で噛むつもりはない
しかし最近、新入りの子犬のコタロウ君が来たことで、ストレスからかさらに唸るようになってしまいました。また子犬でやんちゃなコタロウ君とも上手に接することができず、飼い主さんは「なんとかしなければ」と思い、レッスンを受けることになりました。
写真で見て分かるように、と〜っても穏やかな顔をしているはなちゃん。でも飼い主さんがふいに抱っこしたり、コタロウ君がちょっかいを出してくると歯をむいて結構怖い顔で「ウ〜ッ」と唸るんです。
なので初回レッスンのとき、飼い主さんは私に対してはなちゃんを「この子は威嚇する攻撃性のある犬」と説明していました。そのように言われたので、当初は私も警戒しながらはなちゃんと接していました。けれどもこれまでの話を詳しく聞いてみると、かなり怖い威嚇の行動をするものの、一度も噛んできたことはないと。
癖がついているだけ
そこで、よくよく実際のはなちゃんの様子を観察してみると歯をむいて怒っているのは、パフォーマンスのようなもので本気で噛もうとしている感じが全くなかったのです。つまり、「本気で攻撃してやろう!」と思って歯をむいて「ウ〜ッ」と言っているではなく、そのように反応する「癖」がついているだけだったのです。
それが分かったので、まずは飼い主さんにはなちゃんがそのような行動をしても単にそのように反応する癖がついているだけなので、あまり気にしないで怒らないでくださいとお願いをしました。そして、飼い主さんに対して唸るのは多少なりとも「嫌だな」というはなちゃんの思いがあるので、抱っこするときなど唸る場面のときは、大げさに褒めてもらうようにしました。
問題行動にみえてもそれは違う
また、コタロウ君に対して怒るのは、はなちゃんの問題というよりはコタロウ君の問題なので、興奮してはなちゃんにアタックするのを止めさせる方法をお伝えして実践してもらうように。
唸ることを怒らずに逆に褒めて、コタロウ君とほどよく遊べるようにしてもらったら、はなちゃんの唸りはかなり減り、飼い主さんがはなちゃんのことを「攻撃的な犬」と思うことはなくなりました。
このように、一見「問題行動」のように見えても実はそれほど問題な行動ではないことがあります。そのような場合は、問題に見える行動を褒めることで改善がみられます。ただこれはなかなか飼い主さん自身では判別できないと思うので、「こういうこともあるのか」と知っておいてください。
いずれにしても愛犬のしつけをご自身でやっても改善しない場合は、専門家に直接見てもらいましょう。的確な原因を見つけて適切な対処をすれば、はなちゃんのように7歳でもスムーズに問題が改善しますので。
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トレーナー 小川亜紀子