イングリッシュ・セターの散歩しつけトレーニング
イングリッシュ・セターのルンタ君。保護犬として約2ヶ月前に飼い主さんのもとに引き取られました。とても穏やかな性格で、人にも犬にもフレンドリー。
手強いイングリッシュ・セターの特性
ただ、イングリッシュ・セターという犬種の特性上、散歩中鳥や猫などを見ると姿勢を低くしてセットして、ターゲットが近くに来ると勢い良く飛び込んでしまうことが・・・。
イングリッシュ・セター(English Setter)の名前は「セット(set)」することから名付けられているんです。
飼い主さんが女性なので、ルンタ君が勢い良く引っ張るとよろけてしまい、一度は転んでしまったこともありました。このままでは自分やルンタ君はもちろん、他の人にも危ない目に合わせてしまうと思い、トレーニングをすることにしました。
引っ張り防止のハーネスで散歩に出たけど
まず最初にお願いしたことは、大型犬でそもそも引く力が強いので、引っ張り防止のハーネスを使ってもらうこと。飼い主さんは以前もイングリッシュ・セターを飼っていたので、引っ張り防止のハーネスをすでに持っていたため、お散歩レッスンを行うのを待たずに、使って散歩に出るようにしました。
ところが、多少引きが弱くなったものの、鳥などを見るとやはり勢い良く引っ張って、引っ張り防止のハーネスを使ってもかなり踏ん張らないと止められない状態でした。
そして、実際のレッスンでその様子を見させてもらったら、ルンタ君には引張防止のハーネスを使うよりもハーフチョークの首輪を使ったほうが良さそうだったので、その場でハーネスからハーフチョークに切り替えました。
時々、身体の構造であったり性格によって、引っ張り防止のハーネスが思うように効果を発揮しない場合があるんですね。そのような場合、私はハーフチョークカラーを使います。ハーフチョークに切り替えたところ、それほど力を入れなくても横に並んで歩いてくれて、鳥を見ても、気にはするもののセットすることも、向かって行くようなこともしませんでした。
ハーフチョークと「位置」がポイント
この様子に飼い主さんも驚いていました。なぜそんなに効果があったのかというと、スバリ、首輪の位置です。これはハーフチョークに限りませんが、引っ張りを止めたいときは首輪の位置が鍵になります。顎のラインのすぐ下に首輪がくるようにするのです。
通常歩いていると、重力で首輪が喉仏の位置に下がってきてしまいますが、その位置だと引っ張りを止める効果が低くなります。それにくわえ、喉仏のあたりにテンションがかかるので、ゼイゼイと苦しそうな様子になってしまうのです。
引っ張りを止めたい場合は、首輪が落ちてきたら都度都度、顎のラインの位置に戻さなければいけませんが、これをやるとかなり効果があります。
ハーフチョークカラーは、基本的に首輪が抜けてしまうことを防止するために使う場合が多いと思いますが、使い方次第で引っ張りを止めるのに効果がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子