犬にとっても大事な「鈍感力(スルースキル)」
最終更新日:2023.05.16
青葉区に住んでいる1歳になるコーイケルホンディエのステラちゃん。日本では馴染みのない犬種なので初めて聞いたという方も多いかもしれませんが、オランダ原産で鴨猟に使われていた犬種です。実は私も直接しつけトレーニングをしたのは初めてでした。
鈍感力(スルースキル)をつけさせる
ステラちゃんは優しい性格でフレンドリーではあるのですが、とても怖がりなタイプ。教室でレッスンをしていても、ちょっと物音がしたり、私が大きな動きをするとサッと後退りして、とにかくビビリ屋さんでした。
あるレッスンの時も、教室に着いて車の座席からステラちゃんを出そうとしたら、何に驚いたのか突然飼い主さんの肩を乗り越えて飛び降りようとしました。幸いリードをしっかり掴んでいたので、逃げてしまうことも肩を飛び越えて落ちて怪我をすることもなかったのですが、飼い主さんも私もヒヤッとしました。
とにかくステラちゃんの怖がり具合を軽減させるために、「鈍感力」をつけてもらうようにしました。怖がるからと言ってこちらが怖がらないように気を使って生活をしてしまうと、どんどん繊細になって、ちょっとしたことでも反応してしまうので、普段からあえて褒めるときに大きめな声で伝えたり手を叩いたり、遊ぶときに大げさに動いてみたり、軽く驚かすようにしてもらうようにしました。
スルースキルで犬自身も快適
一般的に小さなお子さんがいる家庭のワンちゃんは、鈍感力があります。なぜなら3、4歳の子どもは突然泣き出したり、おもちゃを突然投げたり、いきなり犬を触ったり、日々予想外のことをします。そうすると一緒に暮らしている犬は徐々に慣れて、何かあっても「またか」と受け流すことができるようになります。つまり鈍感力(スルースキル)が培われていくのです。
けれど、成人した分別のある大人しかいない家庭で突飛なことが起こらない生活をしていると、ステラちゃんのようなビビリ屋さんの犬は繊細なまま育ってしまい、克服することができなくなってしまいます。
大きな音がしても驚かない、突然触られてもビックリしない、雷がなってもグーグー寝ているというように、鈍感力が高いコはあまり困ることがありません。
もしご自身の愛犬が繊細なタイプだとしたら、鈍感力を養うためにあえて子どもじみた遊び方や対応をしてみてください。(ただし、ビビリさせ過ぎないように気をつけてください。)
スルースキルを高めれば愛犬自身もストレスが軽減して、より楽しい生活が送れますので!
ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子