12歳になるゴールデンレトリーバーのくるみちゃん。 飼い主さんの仕事の都合で沖縄に引っ越すことになりました。ペットを飛行機に乗せる場合、基本的に“手荷物扱い”となり貨物室に乗せられます。くるみちゃんの唯一の問題はクレートに入れないこと。そこで出発までの6週間でクレートに入れるようトレーニングをはじめました。 |かけ足のクレートトレーニングだったけど

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かけ足のクレートトレーニングだったけど

公開日:2024.11.15

6週間でクレートをマスターする犬

とてもおっとりとした性格の12歳になるゴールデンレトリーバーのくるみちゃん。

沖縄に引っ越すには

飼い主さんの仕事の都合で沖縄に引っ越すことになり、飛行機での移動が必要になりました。

ご存じの方も多いと思いますが、日本でペットを飛行機に乗せる場合、基本的に“手荷物扱い”となり貨物室に乗せられます。そして、国際的な航空ルールに従って、指定のケージ(クレート)に入れなければなりません。

くるみちゃんは典型的なゴールデンの性格で、人懐っこく穏やかで、他の犬とも仲良く過ごし、普段の生活ではまったく手がかからない良いコ。

ただ、唯一の問題はクレートに入れないことでした・・・。

引っ越しに備えて飼い主さんがクレートを用意して試したところ、くるみちゃんは入ることを断固拒否。無理やり体を押し込んだ結果、パニックに陥ってしまいました。

「クレートに入れるくらい簡単にできるだろう」と思っていた飼い主さんですが、予想外の事態に困惑し、焦った様子でお問い合わせをいただきました。

出発日まであと6週間というタイミングで、急いでクレートトレーニングを始めることになりました。

6週間でできるようになる?

初回レッスンのくるみちゃんは、クレートにおやつを投げ入れると上半身は入れるけれど頑なに全身は入れず後ろ足を残すという状態でした。ちなみにこの後ろ足を無理に押して入れるとパニック状態になってしまうので、飼い主さんには絶対に押し込まないようにお願いをしました。

クレートトレーニングでは、無理やり入れるのではなく、犬自身が自らクレートに入るよう誘導することが大切です。

くるみちゃんの様子を初めて見たとき、クレートに対して強い不安を抱いており、慌てると関節を痛めそうなほど激しく暴れてしまうため、これはかなり難しいかもしれないと感じました。

時間的な制約がなければ、ゆっくり慣れさせれば良いのですが、今回は6週間でできるようにしなければならないため、かなり不安でした。

ところが、あることをきっかけに初回レッスンの後半から、くるみちゃんは自らクレートに全身入ってくれるように!私も飼い主さんも驚き、これなら間に合うかもしれないと大喜びしました。

天の助けか(笑)、「クレートに身体が完全に入る」という第一目標を初回レッスンであっさりクリア。

しかしすんなりクレートに入ることはできるようになったものの、クレートから出てくる際そのままバックして出てくるので、次は「クレートの中でUターンして出られるようにすること」を目標にしました。そして、くるみちゃんがUターンできるようにするための方法を飼い主さんに教えました。

クレートにとりあえずは入れました

【2回目のレッスン】

飼い主さんの努力の結果、クレートの中でUターンして出てこられるようになっていました!しかしUターンできるようになったものの扉を閉めようとすると慌てて出てくるので、次は「クレートの扉を閉めても平気にすること」を目標にしました。そしてその方法を教えました。

【3回目のレッスン】

これまた飼い主さんの努力の結果、「ハウス」と言うとクレートにすんなり入り、扉を閉めても落ち着いていられるように!ただ、扉を閉めて落ち着いていられる時間が数分程度だったので、次は「扉を閉めて30分~1時間程度落ち着いて入っていられること」を目標にしました。

【4回目のレッスン】

徐々に出発日が迫ってきていたため、飼い主さんも集中的に練習をしてくださり、1時間弱クレートに入っていられるようになっていました!とはいえ、まだリラックスしている感じはなく、伏せて寝ることはありませんでした。

そのため次の目標は、「扉を閉めて、実際のフライト時間に近い2時間半程度、伏せていられるようにすること」を目標にレッスンをしました。

【5回目のレッスン】

飼い主さんがご自身でステップを進めてくれて、なんとクレートで一晩寝られるようになっていました!!

この段階でくるみちゃんは通常のクレートトレーニングは完成していたので、あとは飛行機という特殊な環境で落ち着けるようにすることを目標にしました。クレートに入れてドライブをしてみたり、出発前に実際に羽田空港まで行き、くるみちゃんを預ける場所までクレートに入れた状態で連れて行ってみることに。

最終レッスンは沖縄出発の1週間前でした。

子犬のときにすべきだった

当初、年齢も年齢で、パニックになるほどクレートに慣れていないくるみちゃんが、この短期間で落ち着いてクレートに入れるようになるとは考えていませんでした。しかし飼い主さんの努力のおかげで、まるで階段を上るかのようにレッスンごとにステップアップし、「やればできる」ということを再確認できました。

実は飼い主さんはこれまで犬を何頭も飼ったことがあり、これまでの犬たちはあえてクレートトレーニングをしなくても、必要な時に無理に入れてしまえば何とかなっていたそう。

ところがくるみちゃんはそうは行かず、飛行機に乗せるというどうにも避けられない状態になり、藁をもすがる気持ちで問い合わせをしたそうです。そのため、飼い主さんは「子犬のうちからやっておけば良かった・・・」と後悔していました。

私は「クレートトレーニングは犬のしつけで外せないトレーニングです」といつもお伝えしています。

犬を飼ったらぜひクレートトレーニングに取り組みましょう!

沖縄空港に着いた犬

<追記>
大型犬の12歳はかなり老齢なので、何事もなく沖縄に着いてくれるか心配でした。でも、「無事に着きました!」とくるみちゃんの写真付きでご報告をいただき、本当に本当にホッとしました。

ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子


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