1歳になるパピヨン。 子犬のころは特に問題がなかったそうですが、成長するにしたがい抱っこしようとすると本気で噛みつくように。飼い主さんはこれまで何頭も犬を飼ってきて経験も豊富ですが、それまでのしつけ方では思うようにいきませんんでした。そこで犬のしつけの根本である『お行儀』と『お勉強』の両輪でしつけに取り組んでみました。 |犬のしつけは『お行儀』と『お勉強』

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犬のしつけは『お行儀』と『お勉強』

公開日:2024.09.18

犬のしつけは『お行儀』と『お勉強』

少し怖がり屋さんの1歳になるパピヨンのらんらん。

成長とともにお手入れを嫌がる

子犬のころは特に問題がなかったそうですが、成長するにしたがってお手入れをしようと身体をおさえたり、抱っこしようとすると本気で噛みつくように。

飼い主さんはこれまで何頭も犬を飼ってきて、競技会で優勝するほどトレーニング経験も豊富でした。しかし、これまで飼ってきた犬たちとらんらんの性格が違ったため、それまでのしつけ方では思うように改善せず戸惑っていました。

またつい最近まで先住犬の老犬介護におわれていて、らんらんの問題行動に対処する余裕がなく後回しになっていました。ですが先住犬を見送り、らんらんとしっかり向き合う環境が整ったため、しつけトレーニングを依頼されました。

初回レッスンでは、飼い主さんは噛まれることを恐れてらんらんを抱っこすることも、気軽になでなですることもできませんでした。私に対しても警戒してあまり寄って来ず、私も身体を触ったりなでたりすることはできませんでした。

爪切りには歯をむく

また初回のレッスン終わりに、飼い主さんがらんらんの爪切りと肛門腺絞り(有料)をお願いしたいということで、クリニックのスタッフにやってもらいました。

ところが、大暴れしてスタッフの指に噛みつくという事態に・・・。

実はらんらんは、先住犬の診察のお供でクリニック(教室)には何度も来たことがあり、爪切り等のお手入れも何度かやってもらっていました。パピーの頃は全く嫌がらず素直に出来ていたそうですが、成長するにつれて嫌がるようになり、ここ最近では歯をむいて噛みつくようになっていました。

このままではお手入れがままならなくなるということで、全5回のレッスンを月1回ペースにして、しつけレッスンとともに、爪切りと肛門腺絞りをセットにして慣れさせることにしました。

飼い主さんはすでにトレーニングの技術を十分に持っていらっしゃったので、レッスンでは怖がり屋のらんらんへの日常生活での適切なアプローチについてアドバイスをしました。

『お行儀』と『お勉強』

ここでしつけの根本について説明しておきたいと思います。

欧米では犬のしつけはBehaviorとTrainingという2つの面からアプローチをします。この「Behavior」という言葉は、行動、振る舞い、態度といった意味なんですが、日本ではあまり聞きなれないと思います。簡単な表現をすると『お行儀』といったところでしょうか。

一方の「Training」は、オスワリ、フセ、マテといった指示を教えることで、いわゆる『お勉強』です。

この『お行儀』(Behavior)と『お勉強』(Training)の両方を教えることが犬のしつけなのですが、日本では犬のしつけに取り組む際、『お勉強』を重視する傾向があります。

例えば、「子犬を迎えたら「オスワリ」や「アイコンタクト」の練習をしっかりしよう!」とか「散歩で引っ張る場合は、リードを強く引っ張って引き戻し、ヒールウォークを教えましょう」というようなアドバイスをするネット記事等があります。

もちろんそういったことも大切ではありますが、それだけでは不十分なのです。

人間で言えば、学校や塾で一生懸命勉強に取り組んだらその分だけお行儀が良くなる、という訳ではありませんよね。人に会ったら挨拶をする、物は大切に扱う、食べ物を粗末にしないなどといったことは、勉強とは別で教えるはずです。

バランスを意識してみよう!

犬のしつけも同じです。

競技会で優勝するほどのトレーニングスキルを持っていても、らんらんの問題行動が思うように改善しなかったのは、Behavior面の取り組みが欠けていたからでした。

5回のレッスンを通して、お行儀面からのやるべきことをアドバイスしたところ、最終回のレッスンでは初回とは見違えるほど穏やかになって、当初噛まれるためできなかった抱っこも普通にできるようになり、私が触っても怒ることはなく、爪切りと肛門腺絞りも全く噛みつく素振りなく、スムーズにできました!

犬のしつけは「お行儀(Behavior)」と「お勉強(Training)」の両輪で成り立っています。

この2つのバランスを意識して取り組むようにしましょう。

ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子


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