先日2歳になるチワワの男のコがカウンセリングに来ました。話を聞くとイライラした際や怒られた後などに自分の尻尾をすごい勢いで追いかけかじる行動があるとのこと。そのコの尻尾をよく見ると先の方が剥げていて皮膚が赤くなっていました。これは同じ行動をひたすら繰り返してしまう常同行動(強迫性障害)というものです。 |犬が常同行動(強迫性障害)になったら - ドッグベースキャンプ

わんこの学校 ドッグベースキャンプ

045-903-1334

お問い合わせ

犬が常同行動(強迫性障害)になったら

公開日:2019.02.23   
最終更新日:2023.08.17

先日2歳になるチワワの男のコがカウンセリングに来ました。相談の主な内容はトイレの問題と、気に入らないことがあると噛みついてくるということでした。

同じ行動を繰返す常同行動(強迫性障害)

しかし話を詳しく聞いてみると、イライラした際や怒られた後などに、自分の尻尾をすごい勢いで追いかけかじる行動があるということが分かりました。そしてそのコの尻尾をよく見ると先の方が剥げていて皮膚が赤くなっていました。

これは同じ行動をひたすら繰り返してしまう常同行動(強迫性障害)というもので、犬の場合このチワワ君のように、自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回ったり足をなめたりかじったりし続けるなどがあります。この主な原因は過度なストレスと言われています。

筆者のラブラドールの場合

実は私が以前飼っていたラブラドールにも常同行動がありました。自分の足(後肢)を血が出るほど舐めていました。このラブは、私が昔勤めていた訓練所でいわゆる「強制訓練」というものを子犬の頃から受けていました。そのストレスから、このような行動が起こるようになりました。

当時2歳だったそのコは、私が訓練所を辞める時に引き取りました。そしてそれまでの生活とは一変させましたが、なかなか常同行動が抜けずいろいろ苦労しました。傷を治すために皮膚の移植手術をしたり、ホリスティック医療を受けたり生活面以外でも様々なケアをしました。

常同行動が収まるのに足掛け5年

そして完全に治るまでには5年ほどかかりました。もちろん5年間ずっと舐める行動が出ていたわけではありません。精神的に落ち着いて舐める行動が減っていても、ある時何かストレスを感じると思い出したように舐めてしまう(写真の尻尾が一例)ということがあり、完全にその行動が出なくなったのが5年後ということでした。

人間と同様に動物もストレスを抱えすぎると精神的な疾患にかかります。そして改善させるには時間がかかります。

「らしき行動」に要注意

たまにワンちゃんが尻尾を追いかけながらぐるぐる回っている姿を、微笑ましく感じてしまう時がありますが、もしこのような行動が見受けられたらすぐ止めてください。その場合決して怒らずおもちゃや食べ物などで、注意をそらして止めてください。

今回のチワワ君の飼い主さんも、尻尾を追い回し始めても特に対処はせず、勝手におさまるまで放っておいたそうです。なので、今後はすぐ止めるようにお願いをしました。

早い段階で対処すれば改善するのも早いです。もしこのような行動が起こったら、放っておかず必ず上記のように対処をしてください。

それでも改善がみられなければ、しつけの専門家や行動診療という専門の科のある病院に相談をしてくださいね。

ドッグベースキャンプ
トレーナー 小川亜紀子


スタッフブログ
お知らせ
キュティア老犬クリニック
キュティア老犬クリニック